ここ近年著作権侵害の問題が多発しております。故意で著作権を侵害することなどは論外ですが、知らず知らずに著作権を侵害していることは案外よくあります。
商売をする者にとって一番大事なことは信用です。
しかし、著作権を侵害するようでは、当該信用は得られないでしょう。また、自分の著作物を守る必要もあります。誰でも著作者になる時代です。
しっかり、著作権対策を行ってください。著作権契約書や承諾書の作成、著作権の登録をお勧めします。
※当事務所の行政書士は著作権相談員(著作権相談員とは、日本行政書士会連合会が定める講義カリキュラムに基づく研修を修了し所定の効果測定に合格した者で、著作権相談員名簿(文化庁等に提出)に登載された者です)です。安心して業務を依頼して頂けます。
1.著作物とは
思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものを著作物といい、著作権法によって保護されています。具体例でいうと「小説、脚本、論文、講演、俳句その他の言語の著作物、音楽の著作物(楽曲や楽曲を伴う歌詞など)、絵画、版画、彫刻、まんが、舞台装置、書その他の美術の著作物、劇場用映画、ビデオソフト、ゲームソフトその他映画の著作物等」です。
上記の他、建築の著作物や地図の著作物、写真の著作物、プログラムの著作物などがあります。
(注意)
①「思想又は感情」を表現したものであるため、株価の推移や財務諸表等の単なるデータは除かれます。
②思想又は感情を「表現したもの」であることから、アイデア等は除かれます(アイデアは頭の中にあるものですから)。なお、アイデアは特許や実用新案の保護対象となります。また、アイデアを解説した解説書は著作物となります。
③思想又は感情を「創作的」に表現したものであることから、他人の作品の模倣や単なる歴史的事実は除かれます。
④「文芸、学術、美術又は音楽の範囲」に属するものであることから、農作物や工業製品等は除かれます。
※著作権法とは、文化の発展を図るため著作物を保護することを定めた法律です。
なお、①憲法その他の法令②国や地方公共団体、独立行政法人・地方独立行政法人の告示、訓令、通達など③裁判所の判決、決定、命令など④①~③の翻訳物や編集物などの著作物は、著作権の目的とはなりません。
2.著作者とは
著作物を創作した人のことを著作者といいます。一般には,小説家や画家や作曲家などの創作活動を職業とする人だけが、著作者になると 考えられがちですが、創作活動を職業としなくても、小説を書いたり絵を描いたりすれば、その者が著作者になります。たとえば、創作性がある限り、幼稚園児が絵を描けばその絵の著作者となり、小学生が作文を書けばその小学生が著作者になります。つまり、誰もが著作者になり得るのです。
なお、著作者と著作権者は異なった概念です。通常は著作権=著作権者であるが、著作者は著作者人格権と著作財産権を持つので、譲渡・相続できる権利である著作財産権を譲渡等した場合、著作者人格権は著作者のもので、著作財産権は譲受人のもので、著作者と著作権者が別々になってしまいます。
※著作者人格権
著作者の人格的、精神的利益を保護するための権利であり、著作物を公表するか否か等を決める公表権、著作物に著作者の氏名を表示するか否か等を決める氏名表示権、著作物を著作者の意に反して改変されない同一性保持権の3つの権利があります。
※著作財産権
著作者が経済的に不利益を受けないよう保護するための権利をいう。著作財産権の中には、複製権・上演権・演奏権・上映権・公衆送信権・送信可能化権・口述権・展示権・頒布権・譲渡権・貸与権・翻訳権・翻案権など様々な権利があります。
3.法人著作とは
創作という行為は自然人にしかできないため、原則として自然人しか著作権者にはならないが、一定の要件を満たした場合には、法人その他の使用者が著作者となります。一定の要件については以下の通りです。
次の要件をすべて満たしている場合は、創作した者ではなく、その人が属している会社など法人が著作者となり、これを法人著作(職務著作)といいます。
①その著作物に関する企画を行うのが法人その他の使用者である。
②法人等の業務に従事する者の創作である。
③職務上作成されているものである。
④公表するときに法人等の名義で公表される。
⑤契約や就業規則で職員を著作者とする定めがない。
4.著作者の権利
すでに説明したところですが、著作者には、著作者人格権と著作権の二つの権利が認められます。著作者人格権とは、著作者の一身専属的な人格的利益を保護する権利で公表権・氏名表示権・同一性保持権があります。一方、著作権は著作物の利用を許諾したり禁止する権利(著作者の創作した著作物が、他人に勝手に使用されることを禁止し、著作者の経済的利益を保護する権利)で複製権・上演権・演奏権など多くの権利が認められています。
そして、著作者人格権は譲渡や相続ができないが、著作権は譲渡や相続ができます。
5.著作権等の発生及び保護期間
著作権等は、著作物を創作しただけで発生し、権利を得るために出願や登録などの手続きは必要ありません(無方式主義)。また、著作権の存続期間は、原則として著作権の効力発生(創作時点)から著作者の生存中及び死後50年までとなっています。例外として映画の著作物は、公表後70年とされています。なお、著作者人格権は一身専属権のため著作者が死亡すれば権利も消滅します。
◎著作権法17条2項「著作者人格権及び著作権の享有には、いかなる方式の履行をも要しない」
◎著作権法51条1項「著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる」
◎著作権法51条2項「著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)五十年を経過するまでの間、存続する」
◎著作権法54条1項「映画の著作物の著作権は、その著作物の公表後七十年(その著作物がその創作後七十年以内に公表されなかつたときは、その創作後七十年)を経過するまでの間、存続する」
6.著作権の登録制度
著作権は著作物を創作しただけで発生し、権利を得るために登録などの手続きは必要ありません。しかし、著作権関係の法律事実を公示したり、著作権が移転した場合の取引の安全を確保するために登録制度が用意されています。著作権の登録制度では、著作権等の移転や質権の設定、著作者の実名、著作物の第一発行年月日、プログラムの創作年月日などが登録できます。
①実名の登録
無名又は変名(ペンネーム等)で公表された著作物の著作者は、その実名(本名)の登録を受けることができます。この登録を受けると、当該著作物の著作者と推定されます。その結果、著作権の保護期間が公表後50年間から実名で公表された著作物と同じように著作者の死後50年間となります。
②第一発行年月日等の登録
著作権者又は無名もしくは変名で公表された著作物の発行者は、当該著作物が最初に発行され又は公表された年月日の登録を受けることができます。この登録を受けると、反証なき限り、登録されている日に当該著作物が第一発行又は第一公表されたものと推定されます。
③創作年月日の登録
プログラムの著作物の著作者は、当該プログラムの著作物が創作された年月日の登録を受けることができます。この登録を受けると、反証なき限り、登録されている日に当該プログラムの著作物が創作されたものと推定されます。
④著作権・著作隣接権の移転等の登録
著作権もしくは著作隣接権の譲渡等、又は著作権もしくは著作隣接権を目的とする質権の設定等があった場合、登録権利者及び登録義務者は著作権又は著作隣接権の登録を受けることができます。この登録を受けると、権利の変動に関して第三者に対抗することができます。
⑤出版権の設定等の登録
出版権の設定、移転等、又は出版権を目的とする質権の設定等があった場合、登録権利者及び登録義務者は出版権の登録を受けることができます。この登録を受けると、権利の変動に関して第三者に対抗することができます。
なお、プログラムの著作物を除くその他の著作物については、創作しただけでは登録できず、著作物を公表したり、著作権を譲渡したなどの事実を必要とします。
想像以上に、あらゆるものが著作権の対象となります。著作権法という法律だけでなく、判例までも理解しておかないと著作権の対象となるかどうか判断が難しいものが多くあります。なるべく専門家に尋ねるようにしましょう。
HOME
報酬額、相談料、依頼方法
事務所案内等
リンク集
行政書士業務一覧
前のページへ